あれはもう6年前になるだろうか・・・突然社長が新館建設の話を持ち出した。
戸惑いながらも、数年の間、新規投資を行わずに、古い建物を労わりながら営業していた私にとって、嬉しさのあまり、頬をつねった事を思い出す。何処に建設するのか、どんな客層を狙うのか、何室つくるのかなどの話し合いが始まった。
とにもかくにも、建築の基本である設計士を決める事から始めようということになり、昭和54年に今の万座温泉ホテルを建築に携わってくださった
市川皓一氏にお願いすることが決まった。
市川皓一 市川総合設計室
http://www.jcarb.com/KenchikukaShousai_8708002.html
それ以来、市川先生は何度となく万座に足を運んでくださり、長年の私達の夢に向けて、数々の提案をしてくださった。最初の建築の時には私自身は万座に嫁ぐ前の事であり、どのような苦労があったかなどしらぬまま、新しい建物と一緒に万座の人生が始まったので、初めて手がける旅館建築は、怖くもあり楽しみでもあった。
どんどん設計図が具体的になり、当時業績も順調であった当社に銀行もすんなり融資をしてくださる事が決まり、2001年年末までに設計図を完成させ、2002年の3月までに必要な許可申請を全て取り付け、雪解けと共に着工の予定で素人ながら何度も何度も設計図を見ては、新館の立ち上がる姿を描く毎日だった。
当時の日進舘万座温泉ホテル全景
それが「湯房」のスタート。
「湯房」・・・お湯を楽しみ、同時に心も癒す処、そんな願いをこめて付けられたその建物に、次々と試練が待ち構えていようとは、誰一人知る術もなかった・・・
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